アスベストについて
アスベスト(石綿)とは天然産出する鉱物繊維の一種で耐久性・耐熱性・耐薬品性に優れている為、耐火被覆材として建物の鉄骨およびデッキプレートの裏部分に、また吸着材として壁・天井などに吹付けられて使用されたほか、保温材として空調設備等にも用いられてきました。
特に昭和38年頃から50年初頭までには年間2万トン前後が使用されましたが、昭和50年9月30日以降、特化則(特定化学物質等障害予防規則)によってその使用が禁止され、昭和50年9月 30日以降は石綿によく似た岩綿やケイ酸カルシウム保温材の使用が主流となりました。
国際労働機構(ILO)の規則 ILOは1984年にアスベスト被害を防止する為、次のような内容で『石綿を安全に使用する為の実施要綱』を打ち出しました。
| 養生 |
全ての開口部を遮蔽する |
| 発塵対策 |
フィルター機構を通して大気に放出し負圧にする |
| 除去作業 |
呼吸防護具・保護衣を着用。シャワー設備を作る |
| 除去石綿処理 |
不浸透性の容器に入れ内容が石綿である事を表示する |
さらに1987年、ILO総会にはアスベストの安全使用に関する条約、勧告案が提出され、その国際基準がまとまりました。一般環境に関する主な条項は次の通りです。
- 飛散しやすいアスベスト物質を含有する構造物の取壊し及び除去に関しては条約に従って実行する能力があり作業を遂行できる者に行わせることができる。(第17条)
- アスベスト含有廃棄物は関係労働者や近隣住民に危険を生じさせない方法で処理し、処分場でも一般環境汚染を防止する措置を講じること(第19条)
義務づけられた順序と工法
- 労働安全にかかわる法規制
昭和50年(1975)9年30日に「特化則」の改正が行われ、除去作業所での飲食などの禁止 (第38条の2)、除去作業等での湿潤化の義務(第38条の8)などが定められました。
- アスベスト廃棄物処理にかかわる規制
廃棄物の処理法」の適用を受け除去された吹付けアスベストは建設廃材として扱われますが飛散防止と運搬・埋立処分の方法は次のように規定されています。
- 十分に湿潤化した後、強度のあるプラスチック袋などで二重に梱包するか堅牢な容器に密閉して内容物がアスベストである旨を表示すること。
- 埋立は処分場の一定の場所で行い、窪地を掘りアスベスト廃棄物を投入した後、最終覆土は2m以上とすること。
- 事業者が処理業者に委託する場合はアスベストである事を明示し適正処理された事を確認する事。また、最終処分場の管理者は埋立てた数量と位置を帳簿に記載して保管すること。
- 解体等に伴う除去工事
労働省は「建築物の解体または改修の工事における労働者の石綿粉塵への暴露防止等について」(61.9.6基発第34号)の通達による規制策を打出しています。また、昭和62年6月1日付の「石綿粉塵にかかわる建築物の解体または改修の工事の報告について」(東基発第403号)によって工事開始前の東京労働基準局に対する報告が求められる事になりました。さらに東京都も昭和63年5月「吹付け石綿除去に関する工事仕様書」を提示し、平成2年3月には「建築物等の工事にともなうアスベスト飛散防止対策指導要綱」(都環境保全局)を打出しました。それによってアスベストの飛散防止の技術的な基準が定まると同時に、平成2年4月20日以降に開始する建築物等の解体・改修工事については届出等を要する事になりました。